木造モルタルの下地補修

「木造モルタル仕上げ」の下地補修についてですが

築年数が経っていきますと塗装面・下地モルタルなども傷み

・ひび割れ

・仕上げ塗膜浮き

・剥がれ

・水分がモルタルの裏に回り起こす"モルタル乖離"

などを起こします。

 

この場合、いきなり塗装をしてしまうと

一年以内に悪い影響がでる場合がございます。

では、どうすれば良いかを説明いたします。

モルタルの塗膜膨れ
↑モルタルの塗膜膨れ

まず、塗膜膨れ(塗装面が膨れているように見えるところ)ですが

正確には、仕上げモルタルとその下のモルタル部分が

密着不良を起こしております。

脆弱な仕上げモルタルが塗装塗膜までその湿気、水分が表に出てしまう

不具合です。

モルタルの上の塗膜を剥がしたところ
↑モルタルの上の塗膜を剥がしたところ

浮き塗膜を剥がして露出したモルタルを触ると

「パラパラ」とモルタルが落ちてきます。

 

こういった場合の直し方ですが

まず、水が何処から入ったかを調べて

入ってしまう箇所が分かればそこを直します。

直した部分の含水率が下がるのを待ってから

モルタル充填、ようやく塗装

といった流れになります。

モルタルの塗膜剥離
↑モルタルの塗膜剥離

↑こちらは塗膜剥離をしております。

地道に剥離塗膜を撤去して、高圧洗浄をし、

乾燥後、補修をしてから塗装となります。

 

補修の方法ですが

下地が弱っていれば2液エポキシシーラーを塗り

カチオンセメントを塗り、更にカチオンシーラーを塗り

テクスチュア(玉吹き、パターン等模様付けです)が必要であれば

行います。

 

こういったときに、"補修なしで塗装"すると1年以内に剥けてきます。

また、ひび割れの箇所にはひび割れに合った補修もします。

0.3ミリ以内ならセメンシャス擦り込み、

0.3ミリ以上からはスムースエポ、Uカット工法で処理します。

ひび割れを侮ると大変です。

モルタルの壁に根を張り付けた植物
↑モルタルの壁に根を張り付けた植物

↑こちらは植物が壁に根を張ってしまいました。

「あえてそうしている(この場合はお手入れが必要になります)」

という場合でない限り

"植物"の根は仕上げ塗膜内で成長しますので撤去しないといけません。

 

まず、壁を痛めてしまいますがバーナーで炙って枯れさせ

その後、ケレン工具で削りとらなければいけません。

 

以上、木造モルタルの建物では

このような下地補修が必要不可欠になってまいります。

 

また、雨漏り対策についてですが、

雨漏りというと"部屋の中、天井や窓枠からするもの"と

イメージされる方が多いかなと思います。

しかし、実際には部屋の雨漏りだけでなく

部屋ではないところから雨漏りをしていて

建物部材・仕上げ材・下地材を傷める場合もございますので

注意が必要です。

しっかりとしたメンテナンスをされたいのならば

雨漏り対策は必ず計画に入れた方がいいです。

そうすれば10年、15年と安心して住むことが出来る建物になると

私は思います。

 

  

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