見積もりの下地処理内容から塗装店を判断する方法

汚れてきたから塗り替えようかな?

 もしかしたら塗り替えることで雨漏りの心配もなくなるかな?

というように建物調査を依頼されるオーナー様がよくいらっしゃいます。

 

まず、

建物が経年で汚れていき「汚らしくなってきたな…」と感じる

というのは美観の問題です。

 

"肉眼で見えるところで傷んでいる箇所を見つける"というのは

それほど難しくはないことです。

しかし、建物を直す経験を積み、建物の仕組みが分かってくると

"見えない部分がどういう状態か"というのが重要になってきます。

 

表面を綺麗にする前に、下地や躯体補修が適切にできていないと

仮に表面を綺麗にしたとしても

・躯体内では浮部温度差の影響

・ひび割れからの水分

・湿気

などの影響を受け、躯体内部がダメージを受け続けるのは当然です。

 

私は、この見た目ではわからない部分が後々悪い影響を及ぼす

ということから、この下地補修の部分こそ重要であり

あまり予算を削らない方が良いところだと思っております。 

 

この下地の状態を正確に診断するためには目視調査だけでなく

1. 足場を設置してから打検調査をする

2. ブランコ足場で打検調査をする

などをしないと下地補修のお見積もりというのは確定できません。

この調査方法はどちらも有料となりますが、

大方の塗装会社が無料診断でできることというのは

ほぼ簡易調査の範囲内のことです。

 

例えば、

1階周りやバルコニー、屋上、塔屋周辺などを目視調査、

手の届く範囲で打検するといったことになると

これは"予測概算見積もり"となるので

この状態で下地補修の金額まで確定させるというのは

当然困難であると思われます。

 

さらに、オーナー様にとって不安ではないかと思うパターンが

下地調査前に「この予算内で直しますのでうちに発注して下さい!」

いう業者がいたとします。

視点を業者側にしてみれば

「"予算内で間に合わす=会社に利益が残る範囲内で直す"といった

 工事になる可能性が高くなる」とご理解いただけると思います。

「それで本当に良いのか」よくご検討された方が良いと思います。

私の知る範疇でも、請けた後に予算内で帳尻を合わせるような工事をする

会社というのは残念ながらあります。

 

それでも「助かった」という方もいらっしゃるかもしれませんし

逆に「手抜き工事をされた」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

その人が求めていることというのは人それぞれで違いますから

どちらがいいかというのは一概に判断できないことかもしれせんが…。

 

下地補修の重要性
下地補修の重要性

…というわけで

・パッと見の見映えを良くしたいのか

・建物をできる限り長く使用する事を考えて直すのか

ということで、施工内容・予算は大きく変わってきますので

ご自分やご家族の考えをしっかりと整理して

あまり慌てないで検討することが重要ですね。

おおよそ方向性が決まれば

その点をしっかり業者と話を詰めていくと良いと思います。

 

←一つ前に戻る