溶剤の臭いが気になる方へ

確実に密着させるための塗料としては

過去の実績から考えて「強溶剤」と言われる臭いの強いものが

使われます。

それは、塗料を強固に密着させたいということや
現場のスケジュールの問題、費用の問題であったりして
使用決定することになります。
 
強溶剤の方が勿論強い塗膜はできます。
しかし、その場所を多く利用される方々の状況によって
それぞれの事情があったりということもあります。
例えば、小さいお子様がいる場合に
「大人と子供とでは体や臓器の成長度合いが違うので心配」
という方もいらっしゃいますし、
ペットを飼われている方では
「犬や猫は人に比べて体も小さく、嗅覚も敏感であるから心配」と
お考えになる方もいらっしゃいます。
そういった場合には、極力臭いの少ない塗料で対応するという
方法もあります。
 
そのような塗料で対応する場合に
特に気にかけた方が良いことは"塗膜の強さの面"です。
強溶剤の塗膜に比べて塗膜性能が弱いということと、
また、塗料代に関してですが、
場合によっては作業日数が増えることで
少々値段が高くなる場合があります。
 
例えば、水性の塗料ですと、塗膜のしまりが早い傾向にあるので
刷毛で塗り込んだときにはみ出たところがすぐ乾いてしまったり、
ローラーで塗った時に段差が出てしまいます。
溶剤で塗っても多少は出ているのですが、
水性の場合はよりハッキリとわかってしまいます。
これを解消させるために、
はみ出てしまうところにテープを貼って分けて仕上げたりしなくては
なりません。
さらに、溶剤を使用すれば旧塗膜の灰汁を止めることができますが
水性を使用する場合はシミどめを2回塗ってあげなくてはならなく
なったりします。
 
「水性の塗膜の弱さとはどの程度弱いのか」と言いますと、
例えば、公共の建物や公園にある遊具などに使用されていたり
車も水性塗料で塗られております。
ですので、「強溶剤と比較をしてしまえば単純に弱いけれど、
適切な下地処理、環境を整えれば外部でも使用できる」という
イメージで良いと私は思います。
塗り重ね時間を厳守して適正な厚みを確保すれば
丈夫な塗膜になると私は考えます。
 
メリットとして強溶剤と比較して臭気はだいぶ楽になります。
また、「どうしても溶剤を使用しなくてはならない」といった場合でも
ポイントで使用することで臭気はだいぶ抑えられます。

対策の一つは発生した臭気を開口から送風機を使用して強制排出し
同時に綺麗な空気を供給し続けることでだいぶ緩和されます。
(送風機のモーター音は結構うるさいですが…) 

ちなみに、私はこのお仕事でご飯を食べているため
あまり大きな声では言いにくいのですが、実は溶剤の臭いが苦手です。
これだけお仕事してきても「慣れた」などと感じたことは
一度もありません。
むしろ、今後、臭いがなくて密着してくれる塗料が
開発・販売をされて、世の中全部それで塗られているような
世界になる日を実は心待ちにしております。
 
また、作業していて皮膚に着いたときに痒くなるものもあります。
(かなり軽い方だと思いますが持病でアトピー性皮膚炎もあり、
 人よりもかぶれやすいように感じます。)
 
こういったところが、他の塗装職人さん方から
「デリケートだね!」とからかわれてしまう事もありますが、
ここは「早めにサインを出してくれる良い体」と捉えて
他の職人さんが気付かないところも分かるということで
あえてメリットと考えております。
 
お風呂場の塗装などでも臭いの少ない塗料もありますので
化学物質、臭いに敏感な方、お子様がいらっしゃる方、
ペットを飼っている方は、お気軽にご相談下さい。