(ご依頼時の状態)
こちらの"木の戸"と"木の塀"は
築50年を超えていて
しばらくメンテナンスをして
おらず、経年劣化・腐食が
進行していました。
柱とその付け根は水が廻り朽ち果てている箇所もあります。
朽ち部は撤去、補修をして水が入らないようにして
木は灰汁洗いをして汚れをとり防腐剤を塗装する事になりました。
【施工中】
木塀の灰汁洗い完了したところ
です。
この状態は木の垢がとれた状態
です。
このままでは雨が降る度に
木が水分を取り込んでしまうので
乾燥、収縮を繰り返してしまい
傷んでしまいます。
今回は防腐剤のキシラデコールの
色はやすらぎという透明タイプを塗ります。
木塀キシラデコール塗布完了した
ところです。
この「キシラデコール"やすらぎ"」
は"薄膜タイプ"であり
雨や紫外線から木材を守ることが
できます。
水を弾く機能が付き、
湿気は通気させる事ができるのが
セールスポイントです。
例えば、ペンキを塗り
木材を塗りつぶしてしまうと
水は弾きますが湿気が抜けなく
なるため、塗膜が膨れたり
割れたりとしてきます。
キシラデコールやすらぎの場合
イメージとしては"透湿性のある
カッパを着ている"ような感じ
です。
これにより肌が露出していた
木材を紫外線による日焼けから
守り、雨から濡れるのを防ぐ
という感じです。
戸はこのようになりました。
こちらは木が薄かったので
傷みが進行しており
防腐剤ではきれいになりそうも
なかったので
"セラMレタン仕上げ"と
なりました。
木材用補修材を塗り着色している
ところです。
着色中です。
補修完了です。
【施工後】
設置されて50年以上が経った木材ですがメンテナンスの仕方のひとつを紹介しました。
これは木であってもコンクリートであっても言える事ですが
経年で劣化していくものを放置していれば当たり前ですが朽ちていきます。
メンテナンスをする事で朽ちていくのを遅らせる事ができるため
「メンテナンスは無駄なことではない」と思います。
ただし、勘違いをしやすいところですが
「メンテナンス=そのもの自体が新品」になるわけではありません。
例えば、人の歯で例えると"歯周病"という病気がありますが
歯茎が溶けてしまうのを放置していれば歯が抜けてきてしまいます。
では「どうするか?」というと
歯医者さんでは「点検」と「状態にあった治療」をしてもらい、
セルフメンテナンスとしては「歯と歯茎の間を丁寧に磨き続ける」、
「刺激物を摂取する事を控える」
…などと努力をしていれば歯周病の進行をゆっくりにさせる事ができます。
放置して溶けた歯茎は残念ながら新しく増えてはくれません。これが経年劣化です。
また、新品の材が人間の年齢で例えると20歳とすれば
50年過ぎた材は70歳過ぎ位の年齢になっています。
70歳の人がお風呂で綺麗サッパリとなり
日焼け、雨から守るために新しいカッパを着ても
「サッパリしてカッパは新品」ですが、着ている人は70歳のままです。
皮膚や体内は20歳の頃とは違い、どうしても50年以上の時が過ぎている状態なのです。
・使い続けて紫外線や埃、汚れがついたものを綺麗にする
・弱っているところを補修して強度をもたせる
・弱点になっているところは補強してあげる
そのためにはメンテナンスが不可欠です。
こちらの木の場合ですと今回初めてキシラデコールを塗ったので
この後は3年程で塗り替えてあげ、その後は4~5年で塗り替えると
キシラデコールの効果を持続させる事ができます。
ポイントは4~5年過ぎで機能が100%~0%になるのではなく
一年過ぎると性能が20%落ちる、四年過ぎると95%性能が落ちると
時間の経過とともに機能が徐々に落ちていくという感じです。
施工期間、2週間天候不良の場合順延。