お扇子

私は今、習いごとをしてるのですが、
その習い事で重要なアイテムの一つに「扇子」があります。
 
この扇子はどういうふうに使うかと言いますと、
自分と相手がいると自ずと「間」ができます。
この「間」とは、人との付き合い方で
近くもなるし遠くもなります。
扇子を置くことで相手に対して「ここから先は入りません」という
意思表示をします。
また、「踏み込まないでください」という
意味でもあります。(結界を張るんですね)

私はたまにこの扇子を稽古中に紛失してしまうのですが、
この間も「あれ?扇子が〜」と探していたところ
すぐ見つかり(良かった)とホッとしていると
先生が「お扇子無くしたらお客もできないってことなのよ」
と、ぼそりと言われて、(なるほど)と思った次第でありました。
 
「扇子を置く」とは自分の意思を具現化する行為であり、
本来は自分自身が分別をわきまえなければ
お客としてどなたからも扱かってもらえないのは当然だと
腑に落ちるものでありました。
 
自分勝手に傍若無人で乱雑、乱暴に好き勝手な振る舞いをしたり
周囲を気にせず汚らしい装い、姿勢で来られたりしたら
私も嫌になって、その方をお客とはみなせず
むしろ一人で過ごしている方が有意義だと思って
避けてしまうようになると思います。
 
そうならないためにも
精進を続け、自分の内側の扇子を
カッコよく磨きあげていこうと
改めて思いました。