<"建物の塗装を検討する"という事について>

「どうして塗装工事が必要なのだろう?」と感じた事はございませんか?

 

塗装の主な役割とは

(1)建物の保護

(2)建物の美装

(3)機能の付加 です。

 

以下それぞれまとめてみましたので、ぜひご一読ください。

 


(1)建物の保護について

まず、"建物の保護"についてです。

建物の現状は目に見えてわかるときもありますし見えない場合もあります。

 

例えば、RC(鉄筋コンクリート)造の建物の場合、ひび割れが発生します。

ひび割れの原因としては

コンクリートの乾燥収縮、気温変化、不同沈下、地震、施工不良、中性化

…といったものがあります。

 

この中で"コンクリートの中性化"というもので考えてみます。

コンクリートは最初はアルカリ性なので中に入っている鉄筋は錆びません。

しかし、空気中の二酸化炭素や酸性雨などにより

コンクリートがアルカリ性を失う「中性化」が起こります。

中性化していく速度は1cm進むのに約20年なので

一般的なRC造の鉄筋のかぶり厚さ(外側から鉄筋までの最小距離)が

3cmとした場合、約60年でコンクリートの中性化が鉄筋まで到達する

ということになります。

鉄筋の周りのコンクリートのpHが低下すると中の鉄筋が錆びてきます。

鉄筋が錆びることによって、鉄筋が膨張し

コンクリートを徐々に押し出すような現象のことを"コンクリートの中性化"

といいます。

 

そのほか、乾燥収縮、気温変化、不同沈下、地震、施工不良などにより

単純にひび割れた部分から水が入れば鉄筋は錆び始めます。

 

(↓コンクリートの中性化についてはこちらのメーカーの動画が

  分かりやすかったのでご参考にしてください)

このコンクリート中性化の予防対策として

コンクリート表面を塗装材により被覆することで

コンクリートは外気に直接触れることを防げますので

結果としてコンクリートを保護する事ができるというわけです。

 

また、鉄の場合ですが、先ほどの話でも少し触れましたが

そのまま放置しておくだけでも酸化して錆びていきます。

錆は空気と湿気が30%以上あれば発生します。

これも、鉄に塗装をすることで外気の影響を遮断することができるので

結果として鉄を錆から守る事ができるのです。

 

鉄でもコンクリートでもモルタルでも木でも

単体では外気から受ける影響が大きいため

塗装やタイルなどを施して守ってあげる必要性があるということです。

 

 


(2)建物の美装について

次に、建物の美装についてです。

「見た目が汚くなったと感じた」というもので

塗装をすることにより建物の外見を綺麗したいという事です。

 

おそらく、これがお客様側で特に一番多い理由となります。

 

 

 


(3)機能の付加について

最後に、機能の付加についてです。

断熱や遮熱、柔らかいか硬いか、15年耐候性、8年耐候性、

透湿性、防水性、防カビ、防藻など塗ることにより得られる機能です。

 

こちらは、見積もりの時に建物の状態をみてから

こちら側から提案をする場合もありますし、

そのポイントで悩んでいらっしゃる方がその塗料の機能を知って

ご依頼してくる場合も多いです。

 

また、すでにご依頼をいただいてから

「そういう機能のものが選べるのであればそれが良い」

ということも多いものです。

 

 

 


(4)工事で後悔しない為にも覚えておいて頂きたいポイント

 

以上、(1)~(3)が塗装工事をした事で得られるものとなりますが

相見積もりなどすると

「金額も違うけど、工事内容も会社によって違うな」とお気付きなるはずです。

この見積もりの際にお客様にぜひ読み取っていただきたい情報というのが

ございます。

それが「その塗装店はこの中で何を重要視して見積もりをしたのか?」

という点です。

 

 

KEN塗装はメンテナンスするうえで一番重要と思っているのは

「(1)建物の保護」です。

 

 

建物の保護を目的とした時に一番重要となってくるのは"塗膜"です。

この"塗膜の劣化"で考えてみます。

例えば

モルタル塗装仕上げの建物で築15年経ったものがあるとします。

この時、建物の外気に一番当たっている塗膜がチョーキング現象を起こし、

その下のモルタルもひび割れを起こしていてモルタル浮き、剥がれも

発生していたとします。

この状態で外側の見栄えだけを考えてそのまま上から塗装をしたら

どうなるでしょうか?

おそらく見た目は綺麗になったような感じることでしょう。

しかし、これは建物を直したことにはなっておりません。

ひび割れ、浮き、剥がれを適切に補修してから表面を塗り替える事が

直したということです。

この時に、できれば15年で傷んでしまった部分を直すだけ直してから

塗装をする事でメンテナンスを完了させることが望ましいです。

 

その後、建物の経過を観察しつつ、1年ごとに点検をしていると

前は発生してなかった箇所にまた別の不具合が出てくることもあります。

この時は、緊急性がある場合と予算があって直したいのであれば

その都度ポイントで補修していくということが理想かなと思います。

 

会社勤めされてる人は一年に一度は健康診断を受けます。

(医師の方からは最低でも『3年以内に一度』は受けないと

体の変化に気付けず危ないそうです)

診断を受ける事で異常がないかを点検してもらい

何も問題がなければ「よかったですね、引き続きお気をつけ下さい」ということで

何か問題があれば再検査を受け、場合によっては治療といった流れと

なります。

当然ですが、建物も本来同じことです。

できれば、1年に一度はご自分でも点検をして

その時点での状態を確認しておくことが望ましいのです。

 

この時に、肝心となってくるのは

ご自分の所有する建物をご自分で興味を持って知ることは

とても重要です。

 

"ご自分の建物をご自分で知っておく"というのは

例えば

・何年にこの建物を建てた

・木造建築

・通気工法サイディング張り

・屋根はスレート

などということをご自分で知っておき

メンテナンスした部分をノートにまとめておくことで

「どこをいつ直した」とすぐに分かると思います。

 

また、

・建物の中の部材の平均的な使用のされ方

・交換時期はどのくらいか

・たまに洗ってあげた方がいいのか

などをおおよそ知っているだけでも長く綺麗に使用することができます。

出来合いの扉や郵便ポスト、壁、屋根材にしても

管理する上での説明書がございますので

それらに目を通せばそれぞれの性質、扱い方というものがわかると思います。

 

 

 


(5)良い専門家の見分け方とは?

また、ご自分で気になるところを見つけた時に

気軽に相談にのってくれる建物の知識がある"良い専門家"と

お付き合いをしておくということも大事です。

 

 

"良い専門家"といっても、条件は人それぞれ違うと思いますが

例えば、

新築の家をご購入された方でしたら本来は建てた会社と繋がりがあります。

まずはそちらに相談するのが通常のことと私は考えるのですが

・引き渡した後に満足が得られなかったし保証期間も切れてる

・会社自体がなくなってしまった

などとなると

「メンテナンスに長けている業者がいいかも」

「他に自分達と相性がいいところがあるかもしれない」など

新しく業者をお探しになる方もいらっしゃいます。

 

電話帳やインターネットで見つけた会社でも、お知り合いの会社でも

「塗り替え工事を頼みたい」となれば

「複数の会社に相見積もりで…」となる方は多いと思います。

 

その時に各社が調査をしてから見積もりを持ってきて

「うちはいくらちょっきりでやらさせていただきます!」

「今なら20%割引きます」

「ここから近くで工事してるので道具を運ぶ運賃分が安くなるので

 お値引きできます!」

「今日契約を!」と熱心に営業トークを展開する会社もありますが、

営業の方の雰囲気が良くて話していて気分が良い)ということと

(建物の現状態を回復させるのに必要な仕事をやってくれる)のとはまた別の話です。

感じの良さも重要ですが

「診断・施工計画内容が的確、質問しても答えがわかりやすい」

といった方が頼んでも恐らく失敗はないだろうなと思います。

 

 

 

こういう点から考えても

日頃からご自分の建物のことが分かっていらっしゃる方というのは

「一つ一つの調査報告や見積もり・施工内容を見ただけで

 「明らかにこの提案はありえないのではないか?」という会社や

 営業、担当者の力量といったものを見抜けることができるように

なってくると思います。

 

工事をする目的とは"建物を守るため"であり、その手段が"工事"です。

これを間違えて"工事することが目的"としてしまいますと

トータル金額だけに目がいきがちになり、最終的に「失敗した…」と後悔する

…といった例もたくさん見かけます。

 

工事の契約をする前には

できる限りご自分の建物に興味を持って知っておくことです。

 

一度頼んだ専門家とはコミュニケーションをしっかりしておくと

その後、何か聞きたい時などにすぐに聞けて便利です。

ここで関係を怠ってしまい、また一から別の業者探すというのは

意外と大変なことです。