お道具

仕事で使うお道具。
やる事により様々なお道具を使用します。
そのお道具をどういうふうに扱うか?
そのお道具の特性をいかに把握するか。

例えばローラーという道具があるのですが
そのローラーを回すためにあるハンドルを
使い方が乱暴だったり、
管理が悪かったりしますと
軸や差込口が歪み ローラーブラシが
きちんと機能してくれなく
仕上がりに大きく影響がでます。
(差込口が歪むことにより、
ローラーの経と合わずに
カタッカタッとぶつかり
スムーズに回転しなくなるとか、
軸が歪み壁とハンドルの位置が
ズレてローラーがうまく当たらない)

ローラーブラシであれば、
塗料を含ませて
ローラーネットで
均一に馴染ませ
壁につけて、的確な圧力をかけ、一定の速度で
塗料を壁につけていくのですが、
これを、理解できてなく
不適当な転がし方をしますと、
含みのないローラーで
壁に擦り付けて毛がボロボロになり
ローラーとしての
機能が失われた状態で
塗ることになります。
又、ローラーと塗料の吐き出しを無視して
塗りつけるのも
一定の塗膜をつけることはできません。

私の知っている方で居合を習ってる人がいます。
その方がたまに、刀で丸めた新聞を切らしてくれます。
これが難しいのですが、(鞘から抜くのも大変なんです)
ちゃんとした姿勢をとり
刀の邪魔をしないように人間が刀に合わせないと
丸めた新聞が切れないのです。
(本物の日本刀なので間違えると自分が切れてしまい怖いんです)
余計な力が入ると、新聞が当たった衝撃で飛んでいったり
ペコっとお辞儀したような状態になったり、
(この度に「今ので刀の価値が五千円下がった!」
半分冗談、半分本気で言われます 笑)

正しく刀の邪魔をしなかった時のみ綺麗に斜めに
切れてくれるのですが、
失敗した時にその方に(私の先生です)
「刀は一切悪くないんだよ。
鑑定書もあるし、切れる人は切れるでしょ。
ちゃんと振れれば問題なく切れる。
何故切れないのだろうか?
扱い方の知らない人のせいだろうね。」
確かに、おっかなビックリ振っていたり、
自分の方がチョットでもでしゃばろうとしたりすると
全く切れなく、
ただ振り上げてそのまま
振り下ろせたらしきときは切れてくれました。

それぞれのお道具の特徴、手入れの仕方、扱い方を
こちらがきちんと理解できないと
お道具を活かすことは
できないんだなと
自分自身を戒める
いい経験ができました。