油性と水性どっちがいいの?

おはようございます。

 

今回は「水性塗料と油性塗料ではどちらがよいのか」と
いうことについてです。
まず単純に考えて、
塗膜だけの強さは油性に軍配が上がります。
臭いは一般的には水性が勝ちそうです。
(「勝ちそう」としたのは「水性の臭いが嫌い」という方も
 たまにいらっしゃるからです)
この「水性か油性か」問題について、
私なりに今までの経験則から考えた事を書こうと思います。
 
この「水性か油性か」の問題がよくおこる場面は
「外壁をどちらで塗るか」という話からはじまります。
 
まず「塗膜の強さ」についてです。
「油性」は塗膜強さが安定しています。
「水性」は塗膜性能は油性と比較するとまだ油性ほどの
長期安定性は落ちると一般的に考えられております。
 
次に「予算」の面です。
当店ではどちらであってもほぼ変わりません。
(材料により値動きはもちろんございます)
 
そして「作業性」の面です。
たまに、職人さんで「油性より水性の方が作業が簡単だし楽だ」と
おっしゃる方がおりますが、
私の見解では、油性水性の比較をした場合に
何をもって水性が簡単で楽なのかが分かりかねます。
例えば、
「ウレタン塗膜防水材で外壁を仕上げる」のと
「外壁塗料で外壁を仕上げる」ので比較した場合に
「ウレタン塗膜の方が粘度が高くて塗り辛いから大変だ」と
いう話ならばわかりますが…。
ということで、これに関しても、私はあまり変わらないと思います。
 
最後に「お客様からのご要望」の面です。
私が特に最近感じたことですが、
塗料選定のご提案をしているときに、
お客様側から「あえて水性」と選ばれる方がいらっしゃいます。
このような方々は「健康・環境を気にされている方」が多いように
感じます。
…というのも、説明の際に「同じ金額でも耐久性は落ちます」と
いわれている物をあえて選ばれるということは、
(ここからは私の推測ではございますが)
「自分が少し不利な条件があったとしても健康や環境に優しい
選択をしたい」と考えて購入されていらっしゃるのかな?と
感じたからです。
 
塗装一つするにしても、
ご近所様や地域の健康や環境考えておられるお客様もいらっしゃったり、
ご家族に化学物質に過敏な方がいらっしゃることで「水性に決めよう」と
お考えのお客様がいらっしゃったり…。 
 
というわけで、私の考えとしては、
施工する側が提案する際にお客様に何も伺わずに
自分の好みや会社の都合だけで
「水性塗料(もしくは油性塗料)がいいですよ!」とは
簡単に言うことはできないなと感じます。
こういう問題について施工者側ができることは
「メリット、デメリットの説明をしっかりとする」ことと
そういった打ち合わせが決定した後の実際の「施工」の
部分のみです。
 
ただし、建物外部付帯物(トイ、霧ヨケ、鉄部)に関しては
あえて当店では油性をおすすめしております。
その理由は、材質が今現在の水性塗料では接着が弱く
剥がれる懸念があるということが一つ。
もう一つは、付帯物というのは外壁と比べると
塗料の使用量が少ないため、臭気発生や環境に与える影響は
軽微なものということです。
 
塗装工事を成功させるための定石は
現在から今後にかけての
・必要な下地補修
的確な塗料選定
・正しい施工
です。
 
当店は、しっかりとお客様の話をお伺いして
求められたことを実現できるお店でありたいです。