習慣

こんにちは。

KEN塗装の八木田謙二です。
 
以前、知り合いの知り合いの塗装店に応援に行った時の話ですが
ここの親方は現在31歳で24歳頃に独立をして塗装店を営んでいます。
久しぶりに連絡をもらい、手伝いに行ったのですが
仕事の仕方が残念なことに少々雑になってしまっておりました。
職人としての誇りも失っているようで
仕事の仕方に理念や信念などが一切見られなくなってしまって
おりました。
 
休憩の時に「何でこの仕事やってるの?」と聞いてみました。
彼は「お金を廻し続けないと生活できなくなるからです。」と
答えました。
あまり普段は聞いてはいけない事ですが
「いくらで請けてるの?」と聞くと
「本来、必要であるだろう金額の半分ほど」だと言います。
その金額ではむしろ丁寧に良くやっているという気持ちに
変わりました。
この若い親方は、下請け一本でやっていて
請け値も元請けさんから「ここ、いくらでやってね!」という
スタイルで仕事をしているそうです。
 
私の目で見ると
「前の彼だったら、こういうように仕上げるだろうな」という
仕上げ方を全く失っており、
習慣の恐ろしさを目の当たりにした感じです。
私が今の彼を見て感じたことは
(これじゃあ、お金と引き換えに自分を殺しているな)という
ことです。
 
話の最後に「お金、廻してくのって大変っすね!」と言った彼を
抱きしめたくなりました。
ちゃんとやれば綺麗な仕事ができる彼であるから
なおさら今の社会に組みこまれてしまっているその姿が
昔の自分と重なりました。
 
生きていると「しがらみ」や
最近はやりの言葉で言うならそれに付随する「忖度」などで
本当の自分自身を見失い、
最終的にはどれが本来の自分であったかさえも
わからなくなり戻れなくなる場合があります。
 
最近ですが、その彼が
「もう、こういう仕事の仕方やめようと思ってるんですよ。
 つまんないし、身にならないし、潰しも効かない職人に
 なりそうなんで、なんか仕事あったら呼んでください。
 俺、頑張りますんで!」と言ってきました。
彼の良い循環が始まるなと感じました。
できる限り応援してあげたいと思います。