スプレー塗装は塗膜が薄い?

こんにちは。

KEN塗装の八木田謙二です。
今日は「スプレー塗装だと塗膜が薄くなるの?」という
質問について私なりの解説をいたします。
 
基本的に、外壁や屋根塗装などでスプレー塗装をしているのを
見かけることは少ないと思います。
といいますのも、近隣の住宅への飛散・環境悪化などを
懸念するためです。
例えば、工場建物の塗装工事などでは
近隣に住宅がある場合が少ないため
吹き付けエアレススプレー塗装をしたりします。
逆に、住宅街などではお隣様と距離が近いことが多いため
ローラー塗装となるのが通例です。
 
本題の「スプレーで塗装をすると塗膜が薄くなるのか?」といいますと
一概にそうでもありません。
吹き付け塗装の種類を大まかに分けますと
エアースプレー塗装とエアレススプレー塗装とありますが、
エアースプレー塗装の場合はエアーで細かい霧状にした塗料が
カップガンの口から出てきます。
この場合は塗料をだいぶ希釈しますし、
エアーによりロスが50%ほどあります。
どういったものに使うかといいますと、
主に木工製品、工場で行う什器塗装などです。
細かい塗料が出ますので、最高級仕上げの必要があるものに
今でも使います。
一方、エアレススプレー塗装は、ポンプ圧力を利用して
スプレー塗装します。
塗料ロスは35%~40%ですが、塗料を希釈しなくても
塗装できるタイプの塗装機もあります。 
また、低圧温風塗装機というものになりますと
ロスは20%ほどとなります。
 
ロスのポイントは吹き付けガンと非塗装物の距離です。
この距離が遠ければ遠いほどロスが増え無駄が多くなるので
塗膜は薄くなります。
風もなく距離がぴったしの所に合わせれば
エアレスの場合に1平米辺り0.3キログラムつけるところ
0.42キロ吹き付ければロス分もカバーできる計算になります。
また、屋根の場合は距離を近づけて吹き付ければ
塗料ミストも舞わずに仕上げていくことは可能だと思います。
圧力を落としてピタッと塗料が散らず、跳ね返らずという
スポットを見つけるのがポイントです。
ですから、スプレーでもロス分の計算をしっかり考慮して
また、天候も気にしつつ施工をすれば
ローラーと同じ厚みを確保することは可能だと思います。
(私は慎重派というか臆病なのでやったことがないですが…)
 
因みに、スレート屋根の一番最初の塗装の時であれば
タスペーサーをかまさないでエアレスで塗装仕上げをしても
隙間が埋まりません。
スプレーの場合は一定の量を吹きかけるので隙間が埋まらないのです。
むしろ、何も考えず、タスペーサーをかまさないで
ローラー塗りしたとして、わざわざ隙間に圧力をかけて
ローラーを転がせば当たり前ですが埋まってしまいます。
近隣を考慮した場合に吹き付けられる環境であれば
スレート屋根をエアレス塗装するというのは
最高にマッチした工法だなと私は思っています。 
 
また、ちょっと話がスプレーの話から逸れますが、
最初にローラー塗装などで隙間を埋めてしまったスレート屋根の場合は
別途縁切り作業というものをしなくてはなりません。
 
以上、「スプレー塗装は塗膜が薄くなるの?」解説でありました。
それではまた!