左官屋さん

私が東池袋付近に引っ越して24年が経ちました。
結婚をした当時、かみさんの住まいが"雑司ヶ谷"という

街にありましたので

「何かと両親が近い方が安心できるから」という事で

こちらに引っ越してきました。

引っ込み思案でシャイな私は

新しい街というのはいつも中々馴染めず
最初は下を見ながら過ごす日々でありました。

 

当時借りていたアパートは雑司ヶ谷2丁目で
駐車場は1丁目に借りておりましたが、

その駐車場に向かう道の途中に左官屋さんの資材置き場があり、
毎朝そこの左官屋さんたちが段取りをしているのを見かけておりました。

 

特に挨拶もせず、毎日私はそこを空気のように通過しておりました。
その左官屋さんの親方は建築関係の組合の懇親会でも
たまにお見かけすることがありましたが、

この時も特に挨拶を交わしたりはありませんでした。

それから20何年が過ぎましたが、

この前、とうとうその左官屋さんと一緒に仕事をする機会がありました。

KEN塗装の元請けの工務店さんとお付き合いがあったようです。

 

さすがにもう"シャイ"というのも直そうと自覚し、

現在頑張っているところなので
「お疲れ様です!直して欲しいところはこういうところです。
 元請けの工務店の社長がもうすぐ来ますので

 社長からも説明聞いてください。よろしくお願いいたします。」と
親方と職人の方に挨拶をしてみました。
職人の方からは最初スルーされたように感じたので

「あれだけ見かけていて挨拶も交わしてこなかったから、

 いまさら相手にしてもらえないということかな?」などと

一瞬焦りましたが、その後問題なく気さくに喋ってくれていました。
せっかくなので、その親方と職人の方と一緒に休憩をとり
「20数年前よくあの辺りでお見かけしました、
 自分はシャイなので挨拶すらできなくてすみませんでした」と

伝えてみました。
すると、職人の方から「全然シャイにみえないから大丈夫だよ!」と

言っていただけました。

 

その後、3日間同じ現場で仕事をしましたが

左官屋さんの一期工事最終日には親方から

「ペンキ屋さん、名刺頂戴よ。」と言っていただき

名刺の交換までしていただけました。
今思うと、あの頃、素通りしていたのが不思議に感じるし
あの頃から毎朝挨拶しておきたかったなぁ…と感じております。