働き手にとって良い会社と判断できる基準

こんにちは。

KEN塗装の八木田謙二です。

今回は、ここ27年で300社以上の会社を見てきた私が

「良い会社と呼べるのでは?」と思う判断基準のヒントを書きます。

これは本当は教えたくない事なのですが、

お正月なので気前良くお伝えしますので是非見てね。

 

まず、基本的な考え方ですが

会社の大きさや売り上げ規模は余り関係ないと思います。
例えば、資本金5,000万円、売り上げが20億円あっても

良くない会社はありますし、

資本金が1,000万円、売り上げが2億円で良い会社もあります。

また、ごはんを食べさせてくれることと

作物はこうやって育てるのだと時間をかけて教えてくれるのは

良い会社です。

手間賃を相場より高くくれたり、仕事が楽であったり、

職人をチヤホヤもちあげてくれるということは

私の考える良い会社ではありません。

 

で、上記を踏まえたうえでの良い会社のポイントですが

まず一つ目は、なるべく労働者に仕事をさせてくれる会社。

最近よく見かける悪いパターンは

「朝方まで雨が降っていたからウエスで拭き掃除をする手間が

 もったいないから今日はお休みで…」であったり

「午後3時位から雨が降りそうなので今日は半日で上がって下さい」

(この場合手間賃は半日分しかくれない会社が多いです)

…というようなことをしょっちゅう言う会社。
こういう会社はまず駄目と思って下さい。

 

会社と一個人の労働者、経済的体力があるのは会社です。

(労働者の方が経済的体力があるという会社であれば

 畳んだ方がいいかもしれません)

会社は年間の利益でカバーするという選択肢がありますが

労働者は正社員でなければ恐らく手間賃を一日いくらで貰います。

休んだらその分稼ぎがなくなりますから

ここがシビアすぎる会社に依存するのは無駄だと私は思います。

先ほどの悪いパターンで考えると、例えば、

「朝一で雨の影響を取り払うためにウエスで塗装する箇所を

拭いたとして1時間かかった」とします。
確かに会社は1時間分の労働者の給料を損します。

年間で何回そういうことがあるかはその年によりますが

ここでしっかり働かせてあげることで、働いている側も

「会社が大変なときにはしっかり会社を守る」行動を

取ってくれるようになるのでは?と思います。

1時間分の払いは損なのかもしれませんが

リターンは別の形で返ってくると思うのです。

(会社側で目先しか見ない人が最近は特に多くなったと

 気付くようになりました)

 

二つ目は「堅い!堅すぎる!」と言うほどに

安全作業を確保している会社は良い会社と言えます。

例えば、

仕事中の怪我はものすごくナイーブでデリケートな問題ですが

怪我をしたときほど、その会社やその人達の本質の部分が

垣間見えるものです。

良い会社は、まず絶対に怪我をさせないように

うるさく注意しますし、万が一怪我をした場合は

「大丈夫か?今日はもういいから病院行ってこい!」ですとか

いちいち聞かなくとも「うちの労災で面倒みるよ!」と

言ってくれたりします。

こういう時にうんともすんとも言わず

(一人親方扱いだから怪我は自分で何とかしてね)と

暗黙の了解であるが如く振る舞う会社に居たところで

明るい未来はないといっても良いと思います。
仕事は死ぬまで続きますし、会社も守る人がいれば100年以上は続きます。

安全を確保することができない会社は短命、

そもそも会社として存在すらしていない

…と言っても過言ではないと私は思います。

 

三つ目はお金の支払いが早いこと。

今どき少なくなってきているとは思いますが

「25日締めの月末払い」であったり「締めてから10日後」などで

給料をくれる会社はしっかりしている良い会社と感じます。

また、年末はまとめて年内分を清算してくれる会社も昔気質で

粋な感じがします。

ところが、最近よく見かけるパターンなのが、

お金がないわけでもないのに

「締めてから40日~50日後に支払い」という会社です。

これはあまり良い会社とは言えない気がします。

賃金は溜められれば溜められるほど

回収する側の労働者は不利になります。

私が見てきた限りですが、この「お金の精算が早い」会社は

親方の年齢が60歳以上の方がやっている会社に多いです。

また、この世代の方々から学べることというのは

たくさんあるように思います。

恐らく長くやってきているので

・景気や流行に振り回される下らなさ

・何を大切にすればよいかを選別できる心の目が備わっている

・自分が何を何処までやれるかということを分かっていて

 覚悟を決めて維持し続けている

と感じます。

もちろん若い方でしっかりしている方々はいますので

「若い世代が良くない」と言っているわけではなく、

「変えてはいけない事を教えてくれる」という意味で

60歳以上(昭和30年より前に生まれた方々)の方々は

「さすが!」と思う方が多いということです。

 

四つ目は失敗をしっかりとさせてくれる会社。

失敗といいましても

「ちゃんと責任を持ってみんなで直せる程度の失敗

ということですが、

これをさせてもらえないと人は成長できません。

完全分業性にして確実に出来ることをやらせるというのも

アリかもしれませんが、

・色々な知識や経験値を得る

・様々な未知のことにチャレンジをさせてもらう

…といった中で失敗を経験する事は

"全体から見える本質"が分かってきたりします。

これをしっかりとやってこれたことで

次の世代の若い方にも優しく接っしながら

仕事を教えることもできるようになると思うのです。

さらに、こういう"人を育てることができる会社"は

長期ビジョン(20年、30年先の)があるといえるので

しっかり腰をおとして一生懸命お付き合いした方が良い会社

と言えます。

 

五つ目は、前向きで明るい人が多くいる会社です。

楽しい仲間が多ければ、仕事に行くのも楽しくなりますし、

"仕事の疲れ"というのも"肉体的疲労"が主となるので

食事・睡眠を取れば回復できると考えます。

また、こういう方々と過ごしていますと、

自分自身も良い方向にドンドン連れていってもらえます。

"朱に交われば赤くなる"ということで、

仕事をする上で楽しい仲間はとても重要なポイントだと

私は考えています。

そういったことから

「できるだけ良い人達と時間を過ごせるのが好ましい」のですが、

良くないパターンですと

・「自分がつまらない人生だから」と他人に不幸のお裾分けをする

・自分が生きて得た価値観を他人に強要する、

 またそれが受け入れてもらえない場合に

 その相手を排他的に阻害しはじめる

このような人がいるような会社というのも残念ですが存在します。

そういう会社というのは

そういう人でも許容できる人が集まって仕事をこなしていくので

仕方ありません。

ただ、そういう会社しか存在しない訳ではありませんから

ここは

・じっくりとよく探すこと

・中の人達とよく話すこと

が大事です。

 

これらのポイントがクリア出来ている会社はきっと

「働く人を悪いようにはしない会社」と言えると思います。

あとは存分に仕事に集中出来るように自己管理を徹底して

一生懸命働けば未来は明るくなると私は思います。

 

おそらく「今まで他の方よりもたくさんの会社や

そこで働いている人たちを見てきた」という自信だけはあるので

今回こういう内容のものを書きました。
「なかなかどんな会社がいいのか判断がつかない」

「今の会社は大丈夫かな?」とお悩みの方のヒントに

少しでもなってくれればいいなと思います。