カナベラ

どうも!KEN塗装の八木田謙二です。
今回は「カナベラ」をネタに書いてみます。

 
「カナベラ」とは下地にパテをつける、しごくといった作業をするときに

使う道具です。
左官屋さんは「コテ」でしごくのですが
塗装屋さん、クロス屋さんはカナベラでしごく方が多いです。
沢山材料を厚くつける場合はコテも使われますが
塗装もクロスも下地はそんなには沢山材料をつけないので
ヘラで十分な場合がほとんどです。

↑この写真に写っているのが「カナベラ」です。
ステンレスのものと鋼のものがあり
ビニールを巻いてあるものは鋼のものです。
鋼は放って置くと錆がでてきますので
研いでグリスを塗り空気に触れさせないよう
ビニールを巻いています。

見習いの頃ある職人さんから
「ネタがつくところ以外が汚れている人の仕事は汚い!
 そんな所が汚れる必要はないし
 汚れたら普通、嫌だから掃除するだろ。
 そういうところに気が付けないような人が

 仕事であれば気がつけるようになるというわけがない!」
と言ってましたが、確かにそうだなと、最近、私も思うようになりました。

↑これは鋼の5号、4号ヘラです。
使うパテによっては固まるとガッチリくっついて
掃除をするのが大変になります。
なので、マメに掃除できる環境を作ってあげます。
 
鋼の方は刃先が硬いので、硬い材料を引っ張るとき使います。
ステンレスの刃先は鋼に比べて柔らかいので、柔らかいパテのときに使います。

因みに、塗装の職人さんは「ヘラ仕事大好き!」という方々が多くいらっしゃいます。
もう、ヘラ・パテの話になると宮本武蔵の「五輪書」かと思うくらい

自分の研究してきた仕事の仕方を解説する方などいて

たまに揉め事になる場合もある程です。
 
また、基本的には下地仕事なので、下地ができないと次の工程に移れないことから

必然的に忙しくなる作業でもあります。
なので、昔堅気の職人さんに現場で「初めまして」で会い
いきなりヘラ仕事をお願いするということは

「急いでやってください」と暗黙の指示を出したと受け取られ

気分を害される方もたまにいらっしゃいます。
こういった職人独特のルールがあるので知らない方たちは大変苦労する場合があります。

↑これは盛板です。
このうえにパテを盛り付け作業をします。
だいぶ傷んできているのでステンレス加工をしてあげたいと
考えています。
盛板に傷がついていたりすると練った時や

しごいている材料に良くない影響を及ぼすことがあります。

また、何に対しても言えることとは思いますが
「道具を人に貸す」というのは「あまりいいことがない」と感じます。
使い方も価値観も違ってきますので「アチャー!」という感じで
返ってくることもたまにありますから…。
 

↑こちらは「ジラコヘラ」と言い、プラスチック樹脂でできたヘラです。
この中では緑色が硬く続いて白、青と柔らかくなってきます。
本格的なしごき用ではなく、ビス穴処理を埋める程度なら

こちらを腰袋に忍ばせて置くと便利です。
鋼のヘラを腰袋に入れて置くと手探りで道具を取ろうとしたときに
誤って手を傷つけてしまう恐れがありますので。
こちらはだいぶ汚れているので
弱溶剤のシンナーとブラシで掃除をします。
 
また、刷毛やローラーに含まれた塗料を絞り出すときにもこちらを使います。
そうする事により道具を洗うシンナー、水が少なく済みます。
廃液も少なくなりエコに繋がります。

簡単にですが「カナベラ」の紹介でした。
お付き合いいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう。