ツルツルとした箇所に塗料はくっつかない

どうも!KEN塗装の八木田謙二です。
今回は「ツルツルとした箇所に塗料はくっつかない」という事について

できるだけわかりやすくお伝えします。
 
ツルツルとした素材とは?

皆様の身近なものだと 例えば「プラスチック」であったり

トイレや引き戸の仕上げ面に使用される「デコラ版」などが
説明しやすいのですが
こういった素材に塗りますと塗料は拡がり一応塗れた感じはしますが
素材に吸い込んでいってくれないので

表面に乗っているだけの状態になってしまっているのです。
 
極端にいうと"塗装仕上げ"ではなく剥けやすい"フィルム仕上げ"に
なってしまうのです。
木部などは吸い込んで固まって空気を遮断し、木と一体となる塗膜になってくれるのですが
ツルツルした面には一体となってくれず塗膜の下には空気が入ってしまいます。
こういうものには塗料は合わないのです。
 
つるつるした素材のメリットは油汚れなどもしみ込まないので
汚れた場合に洗剤を使用すれば簡単に綺麗に落とせる点にあります。

↑上の写真はプラスチック樹脂のものですが
 このような物や

↑このような素材。

↑上の写真は表面デコラ仕上げの扉です。
こちらもくっつきません。
ツルツルしていて塗装をすると塗れ拡がり
「綺麗だなー」と一瞬思うかもしれませんが
ツルツルし過ぎているので塗ったあと埃などがつき
今度はその埃が気になったりするかと思います。

 

結局、こういったつるつるしたものは

掃除をして綺麗にするしか方法はありません。
仮に扉などを何かしら傷や穴をつけてしまったとしたら
素地の木が見えていれば木の見えている箇所だけを補修するという方が良いです。
素地の木の部分でしたら塗料はくっついてくれますから。

既存の接着剤などが残っている場合は綺麗に掃除して
パテで補修して(なるべくデコラにはつけないように)
似た色で補修塗りをするといった感じです。
 
プラスチック製品は紫外線や外気の影響で劣化しますので
(例えば、戸建て住宅ベランダのデッキなど)
あまりに傷み、汚れが気になるようでしたら
思い切って部材自体を交換した方がいいかと思います。

室内の木枠などで塗装したあと接着が弱く
剥がれてしまうものもあるかと思います。
原因は大体の場合"ケレン不足"と

"脱脂をしないで手垢、油がついてしまっているまま塗装"

をしてしまったことがほぼほぼです。

また、材料を知らない方が「シリコン」の添加されている磨き材などで

拭いてしまったという場合もあります。 
 
基本的に

"まともにケレン、脱脂、下塗り、上塗りと工程を踏めない場合は剥がれやすくなる"

と思って頂いた方が良いです。

↑この写真は台所付近の化粧縁ですが剥がれてしまっています。

 

大きく剥けた箇所の下の塗膜、その下に油分が挟まっています。
(触るとべたつきがあるのでわかります。

 正常な塗膜ですとさらーっとしていて触ったときに指が滑らず引っかかる場合は
 油分があると思っていただいて大丈夫と思います)
油分に塗料は吸い込んでいってくれないため
油の上に塗料であったものが乾いて乗っているだけの状態です。
触ると油分が動いてしまうので乾いた塗料であったものは
耐えきれずどんどんちぎれていってしまうのです。

塗る素材、状態を確認して下地調整をしないとこういうようになってしまいます。 
 
今回は塗料の接着について「ツルツルした面に塗料はくっつかない」というお話でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次回お会いしましょう。