ジョイント処理、その宿命

今晩は。KEN塗装の八木田謙二です。
ここのところですがボードジョイント処理のひび割れ、
サイディングジョイントのシーリングの切れなどについての
相談が相次いでおりますのでひとつ解説を加えます。

ボードやサイディングなどは一枚一枚を張り合わせて
継ぎ目を処理することにより一体に見せるようにします。
この一体に見せるためにボード塗装仕上げの場合は
パテ処理をするのですが繋ぐことにより揺れてしまい
ある程度ボードが動きますとひび割れ(クラック)てしまいます。

このひび割れを全く発生させないようにする事は正直、不可能であります。
ですが費用を掛けて手間を掛ければひび割れに強くする事ならできます。
 
ひび割れさせないようにするには張り合わせ部を
ジョイント処理せず縁を切ったままだと
最初からぶつかるところがないのでひび割れる心配はありません。
どうしても一体とする空間を必要とするのであれば
ひび割れる事を受け入れて挑むしか無いのです。

空間を凝れば凝るほどひび割れしやすい造りになってしまいます。
力の掛かり方、受け方が様々な方向で変化し
コントロールが効かなくなるのです。
デザインを良くしますと機能性、利便性はどうしても落ちてしまうのです。

外装でもデザインを凝り部材も様々なものを使用すると
雨漏りしやすくなるのと一緒なのです。
更に漏ってしまった場合、調査をして原因を探すのが複雑になるので
調査費用も高くなってしまうのです。 

余談になりますが『フェラーリ』という外国の有名な車があるのですが
このフェラーリはメンテナンス整備性については
ほとんど考えていないと評判でして
壊れたとき部品を交換するのにもあれこれと外し作業スペースを確保する
必要があるので工賃は高くつくらしいのですが
フェラーリを愛している人達は気にしないそうです。

ボード天井壁のひび割れやモルタルひび割れ、浮き、
コンクリートなら更に鉄筋の爆裂、
サイディング、ALCのシーリング、
外溝に選んだ綺麗なジョリパット仕上げや
左官洗い出し仕上げにつく汚れと
経年で傷んだらメンテナンス処置が必要です。

新築で塗装面がひび割れを起こしている建物ですが
スタンダート、オーソドックスなパテ処理では
ひび割れが多く発生してしまう、
このままでは造った業者も顔が立たない、そんなときに使われるパテで
人気のあるものがございます。
会社名、製品名は伏せますが
材料費、手間が掛かるので費用は高くなるのです。
スタンダートパテ処理でひび割れた天井、壁ですが
こちらを使い施工をしましたらピタッと止まってくれることは
よくありました。
とても能力の高いパテであることは間違いありませんが
全てのジョイント処理を絶対にひび割れさせない事を
保証する訳では無いのです。
「一般的な工法で施工されたものと比べて
遥かにひび割れに対応できる工法ではあります」とは言えます。

今回のジョイント処理の解説はこの辺りで一度締めといたします。
次回のブログでまたお会いしましょう。
それではさようなら👋