知ると知らない

過去の話ですが、行き詰まった時に、今までの自分を放棄して

すべてのことやものがどうでもよく思えた事が私はあります。

仕事が嫌になり、様々な事を恨み、道具類も片して辞めよう、
清算すると幾らかかるかな?などと自分を追い込んでしまったことも
あります。
ですが、結局捨てられず、毎月の家賃を払いながら
なんとか所有・維持してきていました。
 
人生の途中から徐々に
「自分らしい生き方をしていこう」と思えるようになり
道具もキチンと掃除してメンテナンスをしていると
4キロ缶を入れるためのプラスチックケースの蓋が
割れているのを見つけました。
蓋が割れて欠けができ汚く見えていたこともあり
あまり使用しなくなっていた物ですが、
改めて見るとなかなか便利な物でした。
せっかくなので補修をしようと思い、
蓋の欠けたところをガムテープで直したことで
その部分に触れても手が切れることはなくなりました。
 
新しい蓋を買う、ケースごと買い換えるなど
再生させる方法はいろいろありますが、
あえて補修し掃除をした蓋は
「久しぶりだね、嬉しいよ」と言ってくれたような気が
私にはしました。
 
ケースをずさんに扱っていた結果、蓋は欠けて亀裂も入りましたが、
これは無知の私の責任です。
これが物でなくて自分の大切な人だったとしたらどうだろうと
ちょっと想像してみました。
自分の無知のせいで適当に扱い、相手を壊してしまったとして
途中で何とか気がつけたことで相手から「治ったよ」と
笑顔で言われたとすれば、「どんな顔でその言葉を聞くんだい?」
心が問いかけてきました。
 
しっかりものごとの真理を知る。
責任を持った行動を取り続ける。
わからないことは調べて判断をする。
思いやりの心を持つ。
道具を知り丁寧に扱えるようになることは
いろいろな場面において置き換えてみても
人生に影響がありそうなので
今の自分にとっては重要な事と戒めています。